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Enterprise 2.0: Revolution in Software Development and Delivery?

Enterprise 2.0: Revolution in Software Development and Delivery?に参加してきた。

コマーシャルオープンソースCRMソフトのSugarCRM。社内の人と人の活動をあぶりだし分析する(広い意味でSNS)VisiblePath。シンプルなファイル送信サービスYouSendIt。社内WikiのSocialText。この4社のCEOがそろい、エンタープライズ向けソフトウェアに起ころうとしている変化について語った。参加者は、15%くらいがVC、30%くらいが学生(Stanfordの中だったから)、残りはスタートアップなど含め働く人という構成だった。

残念ながら僕はこれまでEnterprise2.0というキーワードを地味、かつ皮肉的に捉えていた。要は、この1年半くらいの間に「Web2.0」的と呼ばれてきたWeb上のユーザーサービス、技術、たとえば検索、RSS、Wiki、ブログ、SNS、Socialbookmarking、Ajax など・・・に、エンタープライズならではの味付けを施したものを、Proprietaryなソフトウェアモデルでつくり売っていく・・・、つまり、「Web2.0の残骸」をエンタープライズ向けに焼きなおしただけの、実は「1.0」的な(経済活動としては活発かもしれないが)退屈な繰り返しの世界だと考えていたのだ。

しかし、このイベントで、こんな地味でも退屈でもない、まさにエンタープライズソフトウェアの次世代を作り出そうとする変化がシリコンバレーのGrass rootで起こりつつあると知った。それはうれしいことに僕の想像のちょうど逆で、セールス、マーケティング、インテグレーション、カスタマイズが幅を利かせるProprietaryな、「1.0」モデルから脱却しようというという変化のようだ。

まず、モデレーターのMary Colemanが、現時点で見られる「Enterprise2.0」を総括した。
(1) AjaxなどWeb2.0の産物が随所に使用され、ブログやWiki、SNSといったWeb2.0的CGMサービスが企業内に持ち込まれている
(2) Light weightなWebアプリが多く、多数のオープンソースソフトウェアが使われている
(3) ライセンスが非常に安く無料利用可能も一般的。Enterprise2.0は小中規模サイズのビジネス向けの動きといえる
(4) Enterprise2.0ソフトウェアは、ネット上の口コミだけで膨大なユーザーを獲得している(YouSendItなど)
(5) どの会社も、総じて製品中心、技術中心である
(6) オープンソース(Commercial Open Source)モデルで、世界中で開発しているケース(SugarCRM)もある

(1)については特に説明の必要もないと思う。「Web2.0」の産物によって、ユーザーエクスペリエンスがあがり、CGMなど「非構造的」「フラット」なWebの世界がエンタープライズに持ち込まれつつあるという動きだ。

「1.0」から「2.0」への変化として重要なのは、(2)以降だ。これらをまとめると、Enterprise2.0で起ころうとしている変化は、次の3つといっていいと思う。

1.開発モデルの変化 Revolution in Software Development
2.導入モデルの変化 Revolution in Software Delivery
3.ユーザーモデルの変化

1.開発モデルの変化
Commercial Open Sourceで開発されたCRMソフトSugarCRMは、オープンソースにすることによって、小さなスタートアップ一社では決して成し遂げれらない開発を遂げてきた。社員90人のうち、ほとんどがエンジニアであるが、そのほかにも、世界中に5000人の開発者がいる。機能もさることながら、たとえば50以上の言語に対応しているのがオープンソースによってレバレッジされた結果のひとつだ。すべてのソースコードを開放しているが、オープンソースの部分と、コマーシャルな部分をソースコードベースで分けている。これはバージョンごとに変遷があるようで、たとえばVersion1.0では、100%がオープンソース、2.0では60%、2.5では90%、最新の4.5では80%がオープンソースだ。
これをダウンロードしたら、基本機能はすべてオープンソースで無料で使える。で、有料版のソースを使うと、組織やグループ、階層管理といったエンタープライズならでは複雑な機能が使えるようになるらしい。ベンダーは、オープンソース部分を改変したり、追加したりしたら、それを自分で売っても、オープンソースにコミットしても良いが、有料部分を提供するなら当然収入はSugarCRMに入る。というモデルらしい。

Commercial Open Sourceは、決して容易なモデルではないが、従来と比べたら極端に低い開発コストで大きな機能を開発することができるのは間違いない。これが、Enterprise2.0における第1の変化、「開発モデルの変化」の大きな例だ。

2.導入モデルの変化
開発コストが低いこと、DB、OSなど周辺の環境もすべてオープンソースでそろうことは、すべてライセンスなどの導入価格の縮小につながる。導入価格が下がれば、必要な決済の権限が下がる。これまでは、ソフトウェアを販売するために、CIOをはじめとするさまざまな階層にアプローチをかけなければいけなかったのが、その分だけセールスのコストが下がり、それを開発にまわしたり、さらに価格の縮小にもつなげられる。

そして、インターネットによるダウンロードやお試しが簡単にでき、ブログなどで情報が伝わりやすくなっている現在、マーケティングに莫大なコストをかけなくても、良いものであれば「口コミ」で自然と広がっていく。これが、第2の変化、「提供モデルの変化」だ。ビジネスモデルの変化といってもいいかもしれない。これまでの「一声100万ドル」の世界に対して、「ロングテール」エンタープライズだといえる。ロングテールを拾うことが、ビジネスとして成り立つことは「Web2.0」世界でも証明済だ。

3.ユーザーモデルの変化
たとえば、Yousenditはマーケティングに1ドルもかけずに900万人のユーザーを獲得しているという。ユーザー同士の口コミだけ広がっているから、エンタープライズであっても、自分たちのソフトウェアが優れているか優れていないかだけで、ビジネスの行く末が決まるのだ。これは、ソフトウェア開発者にとっては、怖くもありつつ魅力的な世界だ。「ソフトはだめだけど営業ががんばっているから売れている」という(全世界共通の!)プレッシャーで小さくならなくて良いのだ。そして、ここには、3つ目の変化の要素が見え隠れしている。

3つ目の変化の説明を、VisualPathのAntony Brydonの言葉を借りると、

"Change of prospective of employee to be an individual consumer"


だ。つまり「社員ひとりひとりを個人として、消費者として見る」という変化だ。これは、Antony Brydonから見た「Enterprise2.0」における最重要の変化らしい。これはもちろん、Visible Pathのコンセプトが「企業内のIndividualにフォーカスを当てる」ということゆえに強調されることでもあるようだ。実は僕としても、この第3の変化が、Enterprise2.0のもっとも肝心な部分だと思っている。その他も大きな変化だけど、それらはこの変化、「エンタープライズソフトのひとりひとりのユーザーとベンダーが向き合える世界」への変化のお膳立てであってほしいと思ってる。
(蛇足だが、逆にAntony Brydonは開発モデルの変化には懐疑的だったのが面白い。Proprietaryでいいだろう、といいのだ。そのせいか?会場から彼への質問はほとんどなかった)

さて、ここまで説明してきた Enterprise2.0での変化は、ちょっと乱暴だが次のようなサイクルで動いていくのだと思う。

・Web2.0的変化(ライトウェイト、オープンソースなど)が、Enterpriseに持ち込まれる
・開発コストが下がる
・価格、導入コストが下がり、エンタープライズのロングテールである中小ユーザーが導入しやすくなる
・ユーザーの発言力があがり、ソフトウェア自体の品質がものをいうようになる
・口コミが幅をきかせ、セールス、マーケティングの比重が下がり、エンジニアリングの比重が上がる。コマーシャルオープンソースのような手法の利点も活きるようになる
・高品質、高機能なエンタープライズソフトがより安価になる
・繰り返し・・・

「Web2.0」はガレージや倉庫の極小のスタートアップが主役で、Web上のコンシューマに向けたものだった。「Web2.0の残骸をかき集めたEnterprise1.0」ではない、本当の「Enterprise2.0」にむけた変化の主役は当然、既存、スタートアップを問わず、我々のようなソフトウェアベンダーが担うものだ。新世代と旧世代では、開発、セールスマーケティング費用が劇的に違うはずなので、同じサービス、同じフィールドでは決して勝負にならない。だが、既存のベンダーは「ロングテール」を狙うことなく、これまでどおり、「ビッグヘッド」「ファットベリー」にい続けることも可能ではあるだろう。「Web1.0」的といわれたアマゾンや楽天が消えたわけではなかったわけだから。

SugarCRMは、世界中でダウンロードされているが、日本市場、アメリカ市場という限定なくチャンスがあるのも、Enterprise2.0の特徴だ。巨大企業や、スタートアップ企業はともかくとして、たとえばわれわれリアルコムのような規模の1.0ソフトウェアベンダーは、この流れにどう向き合うべきか。

さて、余談をいくつか
会場でも、それほど掘り下げられず、僕も消化不良でここには書かなかったのだが、パネラーの誰かが、"Mash-up of business process happens in Enterprise2.0!" と言っていた。言いたいことは漠然とは感じるんだけど、これってどういうことだろうか。掘り下げたら面白そうではある。だれかいっしょに考えてくれないかな

それから最後のほうの質問タイムで、こういうことをいってる人がいた。

「いまの変化は、Enterprise4.0と呼べるんじゃないのか?
1.0 ホストの時代 巨大予算のビッグヘッドもはなはだしい時代
2.0 PC、オープン化
3.0 イントラ内のWEB
そして今が4.0だ」

この人は質問ではなく持論を述べてるだけだったので、Ross Mayfieldが「面白い言い方だが・・・」とさえぎった。が、本当に面白いと思う。バージョンはどうあれ「Enterprise2.0」と呼ばれている変化が、これまでの歴史の中で脈々と続いてきた、企業内コンピューティングのコモディティ化の過程にちゃんと収まっているのだ。

こういう視点から見ても、この「Enterprise2.0」と言われている変化は、「Web2.0」のようなバブルワードでない、本当の変化になっていくじゃないかと思うわけだ
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資金が少ないなりに有効に使えるのは「短期トレード」。この当たり前のことに気が付いてから、わたしの人生大逆転が始まりました。短期トレードに絞るなら「ほんの少し先の為替の動きを捉えられればいい。」「そのサインを発見したらお金持ちだよな。」そう思って来る日
ほんの少しの「未来」がわかればお金持ちになれる | 小資金でもFX完全攻略 究極の超短期トレード | 2007/02/07 1:56 PM
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